ゆふいん文化・記録映画祭から福岡へ!

 熱い浜松からいったん東京に戻って、さて、英語の作業! どういう言葉が適切なのか、頭をひねりながらシノプシスを書き、英語字幕もなんとかギリギリで間に合わせてもらって、とある国際映画祭に応募しました。身の程知らずは重々承知ですが、クラウドファンディングのストレッチゴールとして約束したこと。英語字幕はもう少し練ってから完成させ、インターナショナル・エディションを仕上げていく予定です。

 さて、7月の後半戦は九州! 7月22~24日に開催された「ゆふいん文化・記録映画祭」に行ってきました。

大分空港からバスで由布院へ

 2020年は開催が叶わず、今年第24回を迎えた同映画祭はこんな想いで行われています。

想いのこもったひと言、ひと言。その反骨に惚れ惚れする
「杜人」のページは、こんな感じ

 今年のプログラムはこちら。

 

 せっかくなので、できるだけ他の映画も観たいと早めにゆふいんに到着。『つつんで、ひらいて』(広瀬奈々子監督)、『明日をへぐる』(今井友樹監督)の上映とトークも鑑賞させていただきました。

 

いいなぁ。映画祭って!

『つつんで、ひらいて』は不世出の装丁家、菊地信義さんを捉えたドキュメンタリー。そう、本ってこういうもの。手のひらに載せたとき、ページをめくったときに込み上げてくる嬉しさと興奮。表紙の文字、細部のデザインに宿る息遣い、指先から伝わるものに徹底的にこだわった装丁家が一生をかけて追求したものを、丹念に掬い取った力作でした。

『明日をへぐる』は、和紙をつくる原料「こうぞ」の栽培・繊維にする行程に古くから従事してきた村の人々が伝承してきた手業と「結」に迫る貴重な記録。どちらも時代の波にさらわれてしまう前に、遺しておかなければならない文化、営み、人の想いを、執念とともにフィルムに刻み込んだ貴重な作品。観ることができてよかったとしみじみ思いました。

 翌日は「由布院のむかしを巡る」体験ツアーに参加。矢野さん、秘書の岩田さんも間に合って、一緒にまちを巡りました。

矢野さんも参加。一緒に廻る

 矢野さんと歩くと、水と緑、風が豊かな由布院にも、滞りができているのがはっきり感じられます。いつも氾濫するという水路の合流地点はコンクリートで固められ、植物も水の流れも息苦しそうでした。

かつてはもっと緩やかな流れだっただろう
氾濫を繰り返すため、固められたという水路の合流点
この季節にモミジが赤くなっているのは、「呼吸が苦しいんですよ」と矢野さん
印象的な言葉が刻まれた石碑

 名物の鶏鍋定食をいただき、ずっと観たかった『教育と愛国』を観て、寺脇研さんが進行役を務められたシンポジウムも聴き、それから「杜人」上映と矢野さんとのトーク。

進行役を務めてくださったのは、映画評論家の野村正昭さん。聞けば、「杜人」を紹介してくださったのも野村さんだったとか!

 この時の矢野さんのお話は後日改めて掲載しますが、最後のひと言は人間のつくった勝手なルールへの疑念でした。

「土と石と木。自然界はその3つで成り立っている。でも、土木の現場では、土と石しか組み込んではいけないことになっていて、木が排除されている。無機物と無機物をつなぐのは有機物。植物を排除すると自然界のバランスが狂うんです」

 会場からは「森林を伐採して進むメガソーラーについてどう思うか」などいくつも質問が飛び出して、この映画祭ならではの気迫を感じました。

 奇しくもこの日は矢野さんのお誕生日。

「66歳!? 見えないですね!」と驚きながら、皆さん歌と拍手でお祝いしてくださいました。

 大企業の後援があるわけではなく、すべて実行委の皆さんの想いと手で賄われている映画祭。それは、浜松同様、運動の原点を見せつけてくれるものでした。

写真右から矢野さん、大谷隆広実行委員長、事務局の藤重睦美さん、一番左が「山荘わらび野」の主人でもあり、実行委でもある高田淳平さん

 さて、怒濤の7月の最後を締めくくったのは、矢野さん、そして音楽の山口洋さんの故郷でもある福岡県。

 kino cinema天神は4月15日封切りの前に「上映します!」と連絡をくださった映画館です。

お洒落なエントランス
光栄です!

 出来たばかりのお洒落なビルの3階、3スクリーンの劇場で、これから上映される映画のラインナップにグッと来ました。とくに『掘る女』、絶対どこかで観たいです。

 福岡は大地の再生九州支部のメンバーをはじめ、たくさんの方がチラシを撒いてくださって、舞台挨拶に伺った30日、31日は両日満席!

暑くて熱い福岡天神!

 九州の“掘る女”No.1、No.2(?)とのアフタートークは、とても充実した時間になりました。

いち早く「杜人」を見つけてくださった青松支配人、ありがとうございます!上映はまだまだ続きます!
大地の再生九州支部の轟理子さんと出口容子さん。轟さんは「大地の再生士」として屋号「杜のひととき」で活躍中。
出口さんは発足したばかりの「いのちの地下水をつむぐ会」副代表でもあります

 生ビールと揚げ物は絶対禁止!を貫いた7月は、たくさんの激励とエール、美しい風景と人の脈が織りなすタペストリーに何度も感動しながら、すべての行程を終えることができました。数十年ぶりに再会した同級生、数年ぶりの大地の再生メンバー、初めて逢ったのにすでに旧友に思える同志の皆さま、映画愛に溢れた劇場の皆さま、本当にお世話になりました!!

      2022.8.4   前田せつ子

由布院の「割烹サトウ」の鶏鍋定食、美味でした
どんな場所でも、水脈のチェックは欠かしません
山があって、水田があって。この風景をずっと

福島から山形、そして浜松の奇跡へ!

 さて、上映が相次ぐ7月の折り返し地点、7月15日は福島へ向かいました。東日本大震災以降、「福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク」という市民団体をやっていますが、そこで出逢った有機・自然農業に勤しむ方々も観にきてくださって、久しぶりの再会を歓び合いました。

福島有機農業ネットワークの馬場浩さんは南会津から、長谷川浩さんは奥会津の山都町から来てくださいました

 フォーラム福島は、フォーラム山形に続いて出来たミニシアターで、東北地方の文化・芸術を育んできたところ。近くにイオンシネマが出来るニュースが飛び込んできたときは、なんと反対運動まで起きたとか。それほど地域の皆さんに愛されてきた劇場で、開館時から関わり、永く支配人を務める阿部さんは、エンタメ業界一筋で生きていらした方。今度ゆっくり映画のお話を伺いたいと願いつつ、お蕎麦を食べて別れました。

キジ汁蕎麦!

 

「非常に面白い視点ですね!」とすぐに上映を決めてくださったフォーラム福島の阿部支配人

 翌日はフォーラム山形。8.11山の日まで続く「山をめぐる映画の旅」特集のトップバッターに選んでいただき、錚々たる顔ぶれに身の引き締まる思いでした。

こんなラインナップで「山をめぐる映画の旅」、8/11山の日まで続きます!

 30分のアフタートークでは、「深い森の中に矢野さんが佇んでいるチラシのビジュアルがとても印象的。ひとり矢野さんはどこを見つめているのか。世界の終わりを見つめているようにも思える」と客席から質問が。「やってもやってもキリがなく、大地は詰められていく。絶望しないのだろうか」と。

「わずか5cmの小さな点穴が遠くの尾根まで伝わって、一瞬で空気と水の循環を促すことを矢野さんは知っている。自然が再生する力を信じている。絶望している暇はないと思う」と答えましたが、そんな答えでよかったのかはわかりません。

「山形国際ドキュメンタリー映画祭」も開催されるフォーラム山形は、フォーラム・ムービーネットワークの第1号館。ここからいくつものドキュメンタリーの名作が世界に羽ばたいていきました。森合支配人と最初から応援してくださった千歳さん。お世話になりました!
ナレーションの光野トミさんのご友人、「お話」を語られる井上眞理子さんから、咲いたばかりの紅花の花束を
山形に来たら冷やしラーメン! フォーラム山形さんに近所の名店「金長」を教えていただきました

 7月17日、18日は曇天時々雨の予報が見事に外れて、夏の雲と青い空が絵のように広がる日に。まず訪れたのは遠州灘をぐるりと囲む防潮堤。東日本大震災後に急ピッチでつくられた防潮堤の周辺は空気が動かず、周辺の松は傷み、苦しい表情を見せていました。

高さ13~15m、総延長17.5km。2020年に完成した国内最大級の防潮堤。この下にコンクリートの塊が
苦しい表情を見せる松

 日本三大砂丘の一つ、中田島砂丘も観てから訪れたのは、浜松シネマイーラ 。今年2月、まだ封切り前のこと。他のドキュメンタリーの上映館リストを見ながら榎本支配人にお願いの電話をしたところ「そんなふうに一方的に説明されても、正直言ってあなたの映画はうちでは上映できないと思うよ」という返事が返ってきました。

浜松の繁華街からほど近い、歴史ある映画館、シネマイーラ。席数152

 

 聞けば、都内がアップリンク吉祥寺単館でスタートする(規模の小さい)映画を、地方館でかけても席は埋まらない、とのこと。映画を気軽に観られる時代、ただでさえ映画館人口は減っているところにコロナ禍がもたらしたものは深刻で、どこのミニシアターも忍耐を強いられています。電話口から伝わってきたのは並外れた映画への想いで、最後に「まあ、環境に意識の高い人は多いから、地元の人たちがそういう運動を起こしてくれるなら別だけどね」と言われたとき、これは受けて立たねば! と思ったのでした。

 電話を切ってすぐに連絡したのは、浜松で「ナインスケッチ」という造園業を営む田中俊光さん。大地の再生東海支部のメンバーでもある彼は「わかりました! やりましょう!」と二つ返事で受けてくださいました。

 田中さんが繋いでくださったお二人の市議、倉部光世さん(菊川市)、鈴木恵さん(浜松市)と山口雅子さん(執筆業)と5人でZOOMミーティングを開いた時、私は運動の原点に引き戻された気がしました。

 ポンポン飛び出すアイデア、誰々さんにも入ってもらおう、プレ・イベントを開くといいよね、そしたら、あの人にも入ってもらって……と、みるみるネットワークが広がって実行委員会が発足。6/19のキックオフ・イベントには、50人以上が県内から集まってくださったのでした。

6/19のキックオフ・イベントは、地元の新聞にもこんなに大きく載りました!

 シネマイーラ での舞台挨拶初日、客席は満員御礼。5人並んで挨拶をして、客席からも言葉を頂戴しました。翌日もほぼ満席。「シネマイーラ を杜人でいっぱいにしよう!」という当初の目的は本当に達成され、「いーら杜人」と名付けた実行委員会の皆さんの情熱と行動は、この後もシネマイーラ に奇跡をもたらしたのでした(1週間7回の動員数583人は最高記録だそうです)。

浜松でこんな風景が見られるなんて!
写真左から倉部光世さん(菊川市議)、鈴木恵さん(浜松市議)、山口雅子さん(執筆業)、田中俊光さん(造園家)、榎本支配人

 「杜人」が目指すのは、映画の成功よりも、自然界の生きものたちと人間が「結」を取り戻す一助となること。目的と手段は容易に入れ替わるものですが、山口雅子さんが牽引する実行委員会から学んだのは、運動の魂と言ってもいいものでした。

 学びへの情熱と善き未来に向かって行動する志。人が人であることの意味と希望を痛感しながら、杜人の旅はまだまだ続きます。

 7月17日、真夏の空が広がる中田島砂丘の防潮堤から浜松の街を見る
こんなところになぜ巨大な水溜り?と思ったら、砂丘に天然池は珍しくないとのこと
突然の案内役を引き受けてくださった松下克己さん、お世話になりました! 防潮堤がもたらす自然の変化、観続けたいと思います

     

               2022.7.28 前田せつ子

奈良、徳島から山口・ワイカムシネマ、シネマ尾道へ。上映会場、上映館はすべて満席!

 おかげさまで、全国41館の劇場で上映していただけることが決まり、7月は最も上映が相次ぐ月になりました。上映館のない地域では自主上映会が始まり、舞台挨拶・アフタートークも地域を移動しながら連続開催。果たして、すべてを無事に乗り切れるか、私にとっては正念場でもありました。

 7月6日、奈良宇陀市へ出発。名古屋を経由して近鉄を乗り継ぎ、気持ち良い山々に囲まれたところに着きました。

「Hi Studioもとたねしゃ」。ここは野外撮影場所でもある

 自主上映会が開催されたのは「Hi Studio もとたねしゃ」。写真家・木下伊織さんの「『美しき大地の再生』写真展」と同時開催されました。

写真家・木下伊織さんと近くに住む北森克也さん

 

「美しき大地の再生」写真展
この地を選んで移住され、小山田竜二さんとDIYで古民家を再生された
3日間、3回ずつ上映していただきました

 7月7日の上映会&トークには、地域の方を中心に京都からいらした方もあり、トーク後の質疑応答では地域の子育てを含む環境についての熱い意見も。地域で子どもたちを育てていくかつての結を感じました。
 この日の朝には、近くにある「龍鎮神社」にも案内してもらいました。水音が心地よく響く中、数分歩くと、自然が彫刻した見事な水脈と点穴に目を見張りました。

全てを浄めてくれるような水の流れ
龍鎮神社
水脈と点穴!

 その後、大阪で高速バスに乗り継ぎ、一路徳島へ。視界が開け、海が眼前に広がると空の風景もダイナミックに変化し、光の粒がグッと輝きを増します。

なんて綺麗な光なんだろう

 徳島駅で待っていてくださったのは、チラシのデザインを手がけてくださった山下リサさんと主催である「コープ自然派しこく」の中西真夕さん。美味しい居酒屋で食事をして、真夕さんが始められたばかりのゲストハウスで一泊。

こんなに素敵な朝食だったのに、桃しか食べられなかった…

 実は翌朝、生まれて初めての目眩(?)に襲われました。猛暑の移動のせいか、着いた瞬間生ビールを飲んだのが悪かったのか……。頭の芯が定まらなかったのですが、熱はなく、午前中は休ませてもらって、なんとか上映会場に向かう車の中で立て直しました。そして、いざという時のためにスタンバイしてくれていた「森の学校みっけ」主宰の「らんぼう」こと上田直樹さんに久しぶりに再会。お二人に助けられて、無事にトークが終わった時は本当にほっとしました。

 文化の森ミニシアターは満席。そして、ここで「大地の再生四国支部」発足宣言がなされたのでした。

山下リサさんとらんぼうに助けていただきました

 思えば、徳島で体調を壊したことは、頼れる方々がいらっしゃる場所だったからだろうと後から思いました。私ひとりのトークだったら、どれほど大変だったことか。リサさん、真夕さん、らんぼうという強力な布陣があって、「いざという時はなんとかしますから大丈夫!」と仰っていただけたことが何より効く安定剤になった気がします。

山口情報芸術センター

 7月9日。実家から姉の車で向かったのは山口情報芸術センター[YCAM]。10時の開館前に到着すると、すでに長蛇の列が。見ると、高校の同級生。「地元なので、友達もいっぱい観に来てくれるはずです!」と上映のお願いをしたものの、正直どのくらい来てもらえるのか、不安がありました。でも、持つべきものは同級生、怒濤の勢いでチラシを撒いてくれたおかげで、なんと100席が満席、補助席も出してもらうことに。

ま、まるで、ライヴのような…
温かすぎるホームグラウンド

 山口は「地元スペシャル」ということで、父が90歳の時に撮った短編(といっても、アップリンク主催ムービー制作ワークショップの修了制作)「100歳に向かって走れ」(2018)を同時上映してもらったのですが、私にとっては緊張の連続でもありました。

 94歳になった父が黙って最後まで観られるのか、途中でいびきかいて眠り込んだりしないか、88歳の母は腰が痛くならないか、トイレは大丈夫だろうか……。

 そんな心配は杞憂に終わり、二人は2本立て2時間、最後までちゃんと観てくれました。さすがに40分近いトークは長かったらしく、我慢できずにトイレに立った父でしたが、終了後は「元気をもらいました!」と女性陣に囲まれ、人生最大のモテ期が襲来したのでした。

長時間、お疲れ様!
ワイカムシネマの前原美織さん、お世話になりました!

 7月10日はシネマ尾道へ。

大林宣彦監督も愛した歴史ある映画館

 真夏の日差しが降り注ぐ中、歴史ある映画館で、「教育と愛国」「スープとイデオロギー」という名監督のドキュメンタリーと並んでかけてもらえるという栄誉に預かり、さらに120席ある客席は満席。

どっちも観たい! 聴きたい!
広島でも、皆さんにたくさんチラシを撒いていただきました

 2018年7月、西日本豪雨で被災した広島で上映してもらえることには大きな意味がありました。

 一緒に登壇した下村京子さんは、矢野さんの「被災現場に入りたい」という申し出を、ボランティア・コーディネーターをされていた松田久輝さんと繋いでくださった大地の再生のメンバー。炎天下、十数日間現地に泊まり込んで被災地支援をされる姿は深く胸に刻まれていました。

写真左から兼田汰知さん、上村匡司さん、下村京子さん

「おとめちゃん」こと上村匡司さんは京都で造園をされていたのですが、大地の再生に出会って、下村さんと「上下コンビ」を結成、中国地方から九州、そして四国まで年間を通して大地の再生の旅を続けられています。

 兼田汰知さんは西日本豪雨でご自宅が被災、土砂で家財道具が流されました。

「被災してわかりました。人間、何があっても大丈夫なんです」という言葉には、お金のためでなく、子どもたちが生きていく未来のために、大地に呼吸を促し続ける覚悟が漲っていました。

 この日のトークの詳細はこちら

美味しい珈琲と梅ジュース、モヒート(ノンアル)の出店も!
シネマ尾道の支配人、河本清順さんを囲んで

 翌11日は編集段階で的確なアドバイスをくださった尾道在住の映画監督、田中トシノリさん(「スーパーローカルヒーロー」「RESONANCE ひびきあうせかい」)、そして珈琲屋さんや農業に加えて「ジャイビーム!」というスーパーパワフルな映画を撮られた竹本泰広さんと登壇しました。

 3人に共通するのは、衝撃的な人物との出逢いが映画を撮らせたこと。そこにあるのは「この人、すっげェ!」という感動を「共有したい!」という初期衝動のみ。その人を特別な人として紹介するのでなく、みんなの中にある想い・力に共振・共鳴させたかったことだと話をしながら思いました。

田中トシノリさん、竹本泰広さん、そして大三島から来てくださった藤田さん、ありがとうございました!!

 奈良から始まった西日本の旅は、「ヤドカーリ」というアジト、もといゲストハウスで一層ディープなものとなりました。

 

大崎上島から来てくださった三須磨さんとは4年ぶりの再会でした。ヤドカーリの村上さん、お世話になりました!
瀬戸内レモンがたっぷり!
賀羅加波神社の大欅にも逢いにいきました
風格を漂わせる由緒正しい神社。銀杏の木は天然記念物ですが、あまり元気がありません

 さて、この後、旅は東日本(福島、山形)へと続きます。そして、浜松の奇跡へ。つづく!

7月2日、100年以上の歴史を誇る上田映劇。赤尾さん、岡さんのおかげで、たくさんのお客様にお越しいただきました!
キャパが150席もある映画館をやっていくのは大変なこと!編成担当の原さん、支配人の長岡さん、どうか頑張ってください!


2022.7.20 前田せつ子

奈良、徳島、山口、広島へ!

 

 今年初の線状降水帯に関する警報が出ました。また、この季節がやって来ました。

 2018年6月末から7月頭にかけて、私は高速バスで実家のある山口に帰省していました。この頃、骨粗鬆症の母の骨折が相次ぎ、入退院の繰り返し。父は認知症を危ぶまれ、頻繁に帰省していたのでした。

 帰省中は雨続き。私は7月7日〜8日の気仙沼講座を撮影したかったので、5日夜に実家を出て、高速バスに乗りました。

 バスの中で実家から車で1時間のところに住む姉と何度もやりとりしたのは、避難警報が出ているけれど避難すべきか否か。姉の家は避難所よりも高台にあり、しっかりした躯体。川のそばとはいえ、裏に住む足の悪い義父、義母を連れて避難するのは逆に危ないのでは? とやりとりを繰り返したのでした。

 私は、いざとなったら姉の家より高台にある神社やお寺に避難させてもらうのがいいのでは、と提案しました。結局、河川が決壊する寸前で雨は収まり、事なきを得ましたが、実家の両親にもいざとなったら、避難所に指定されている中学校まで早めに避難するか、さもなくばお隣の鉄筋造の家の2階に躊躇せず避難させてもらうよう念を押しました。

 さて、一旦家に寄って、7日に気仙沼の現場に行きましたが、そこには広島からのボランティア・スタッフもお二人みえていました。

 その夜、お二人はご自宅にいるご家族と何度もやりとり。止まない雨、家にも帰れない娘さん。家の裏山が崩れてきそうだとSOSを発される奥様。翌日、土砂が家に流れ込んできたお一人は、急遽気仙沼から広島の竹原まで帰られることになりました。

 それが2018年、西日本に甚大な被害をもたらした平成30年豪雨(西日本豪雨)でした。

「杜人」には、矢野さんが大地の再生のスタッフに呼びかけ、支援も募って行った被災地支援の様子も収められていますが、奇しくも4年後にあたる7月9日から、広島・シネマ尾道と山口情報芸術センターで上映がスタートします。

 山口では7月9日(土)10時30分〜上映回の前後にご挨拶とアフタートークを行います。

 地元スペシャルということで、2018年当時90歳だった父を撮った「100歳に向かって走れ」を同時上映。

 これは、2018年3月から半年間受けたアップリンク主催ムービー制作ワークショップ15期の修了制作で、本当に初めてつくったドキュメンタリー(とも呼べないようなものですが)。

 カメラはハンディカム、編集はiMovie(?違う簡易ソフトだったかも)、3日間くらいで編集した粗く拙い作品ですが、生涯に一度くらい父に「主演男優」を経験してほしくて、山口情報芸術センターに上映のお願いをしたら、「高齢者が元気になる作品は大歓迎です!」とかけていただけることに。

 当日は父も母も一緒に行く予定ですが、たぶん「杜人」の途中で爆睡してしまうはず。いびきがうるさくなったら強制退出しますので、どうかお許しを。

 そして、広島では7月10日(日)9時〜上映回の後に、4年前に呉市安浦町中畑の支援を繋ぎ、自らも泊まり込みで支援をされた下村京子さん、上村匡司さん、兼田汰知さんという大地の再生メンバーを迎えて、当時を振り返りつつ、これからどうやって私たちは自然と関わっていくのか、というお話をしたいと思っています。

 さらに、11日(月)には、広島在住の映画監督、田中トシノリさん、農業も映画作りもされている竹本泰弘さんと共に、ドキュメンタリーの可能性についてお話をさせていただく予定です。

 順番が前後しましたが、7月7日(木)は奈良県宇陀市で「Hi Studio もとたねしゃ」を造られた木下伊織さんの『美しき大地の再生』写真展と『杜人』上映会の、10時〜の上映後、トークをさせていただきます。

 伊織さんはずっと矢野さんと大地の再生を追いかけて素晴らしい写真を撮られてきたプロのフォトグラファー。初めてお会いしたのは2018年7月。やはり4年前です。

 今回、写真展を拝見できるのも楽しみです。

 

 続いて7月8日(金)には徳島市にある文化の杜ミニシアターで、コープ自然派しこく主催の上映会があり、午前の部と午後の部の間(12時〜)にトークをさせていただきます。

 こちらはご好評いただいている杜人のチラシのデザインもしてくださったベテラン・デザイナー、山下リサさんの想いから始まった上映会。

 奈良と徳島の上映会は、もしかしたらもう満席かもしれません。どうぞ、ご確認のうえ、お出かけください(山口と広島の劇場は当日券のみの販売です)。

いま、初めて近鉄特急で名古屋から奈良に向かっています。

 小さな国土に多様で豊かな自然、風土が凝縮されているこの国の底力が目に飛び込んできます。

 どうか、もっともっと大地が、植物が、すべての生きものが息づく未来でありますように!

      2022.7.6 前田せつ子

ユニバーサル・シアターを全国に!

 7月に入りました。体温を超える暑さに地面に近い子どもたちの体調のケアが叫ばれています。小さな動物たちも同じ。政府からの指示を待つのではなく、五感を使って自分の身体も他者の身体も気遣いたいです。

 さて、昨日から都内にある「日本で一番小さい映画館」で上映がスタートしました!

このラインナップに気骨を感じます!
「チュプキ」はアイヌ語。意味は調べてみてください。そしてMotion Galleryのクラファン、覗いてみてくだいね!

 ここは小さいだけではありません。なんと、日本初のユニバーサル・シアターなんです。つまり、「日本で一番優しい映画館」。

 独自に字幕と音声ガイドを付けてくださって、料金は一般で1500円。予約はサイトや電話ですが、支払いは当日なので、突然具合が悪くなったときはキャンセルもできます。しかも、キャンセル待ちを受け付けていて、その方々に順番に連絡メールが行くという細やかさ。

 昨日は20名の定員いっぱい。キャンセル待ちの方もたくさんいらしたとか。そのキャンセル待ちが前日に叶って、かつて専門学校で音楽ライターコースの講師をしていた頃の教え子も観にきてくれました。

 18分と限られた時間のトーク。まず「なぜ、この映画を撮ったのか」を話したら9分が経過してしまい、その後慌てて残りの時間、お客様からの質問を受けました。

 原発も再生可能エネルギーもダメだと思うけれど、どうしたらいいか?

 学校の校庭の木が弱っていく。自然を相手にすると管理する大人の中にも対立が生まれかねない。どうしたら?

 簡単には答えられない質問ですが、二者択一じゃなく、また、対立構造でなく、新たな方向性を見出していくしかないと話しながら思いました。

 電気が足りないから原発回帰ではなく、森林を伐採してメガソーラーを張り巡らすのでもなく、循環を生み出すことで短絡的な思考からはみ出していく。駐車場のアスファルトを有機アスファルトに変えたり、コンクリートの際に溝や穴を掘ることで天然のラジエーター機能が回復することを五感で確認していきたい。

 そもそも、自然界は見事な循環で成り立っているのに、事を複雑に、歪にしたのは人間。人間同士の対立は循環にはつながらない。いい悪い、のどちらかに立つのではなく、どちらも足りない、という前提で、足りないところを補い合う社会になれば……。

 そう話したのかどうか、はっきり覚えていませんが、そんなふうに知恵を絞り合う時間こそが大切、と思えるひとときでした。

代表の平塚さんに音声ガイドや字幕をつけてくださった方、スタッフの皆様。めちゃくちゃ皆さん優しくてびっくり!
何度見ても痺れる「ハンナ・アーレント」のポスター。「すべての悪は凡庸である」。「ありがとう岩波ホール」特集で上映されます!

 上映館のない地域では自主上映会がスタートしている「杜人」ですが、バリアフリー対応の素材ってありますか?とご質問をいただくことも。館の方に尋ねてみたら、「もちろん、お貸し出しします! せっかくつくったので、是非使ってください!」とのお返事。ありがたいです!

 

渾身のチョークアートが入り口の前に! 朝までかかって描かれたのだとか

 さて、夜はもう一つ、鹿児島のガーデンズシネマのオンライントーク。初めてのオンライン、正直躊躇いましたが、結果的には私が元気をいただきました!

 ガーデンズシネマという39席のミニシアターが、どれほど地域に必要とされているかがダイレクトに伝わってきて、次の機会があったら是非リアルに訪れたいと思いました。

 やはり、最初に撮った理由を話していたら、あっという間に10分くらい経ってしまったのですが、あたたかい拍手をいただいて距離を超えて心が解けました。

 最初に質問してくださったのは、なんとテンダーさん! 数年前、アースデイ永田町でお会いして、その後、世田谷「羽根木の家」のテンダー講座に参加したことがある、大尊敬する自由自立人。羽根木の家はピアノ曲を提供してくださった水城ゆうさんが家主で主宰をされていた場所。一気に時が円環を描いた気がしました。

「矢野さんたちが大地の再生をする速度より大地を固める速度の方が早くて、追いつかないのでは?」という質問には、「小さな一手が大きな変化につながる。目の前の大地に移植ゴテで5cm穴を開ければ、それは長いホースの先が詰まっていたのが解消されるのと同じように、一気に山の尾根まで伝わって、一瞬で空気と水は流れ出す。人が2割、3割やれば後は自然がやってくれると矢野さんはいつも仰っている。厚いコンクリートの下でも、大地は死んではいない。グライ土壌も陽の光を浴びて酸素に触れれば肥沃な土壌に変わる。絶望している暇はない」と伝えました(たぶん)。

 

 さあ、今日はこれから長野県上田市にある100歳を超える映画館、「上田映劇」初日。「大地の再生関東甲信越」の赤尾和治さんと一緒にアフタートークです。

 行ってきます!

     2022.7.2 前田せつ子

 

「よかったら」と「是非」〜ギア・チェンジの夏に向けて!

「六ヶ所村ラプソディー」をくにたちの女たち(10名くらい)の実行委で上映したのは2007年10月。私にとっては初めて住んでいる街で行なったイベント、というより市民運動でした。

 鎌仲ひとみ監督のトークにリクル・マイさんのミニ・ライヴも挟んで、「ヒバクシャ—世界の終わりに」との2本立て。チケットの売り上げは400枚を超え、実際には350名くらいの方が観にきてくださって、地域で仲間とつながる切実さと楽しさを実感したのでした。

思えば、これが第一歩! この時に体感した女たちの連帯を忘れない

 もともと自然はあって当たり前の環境で育ち、「街」に憧れて上京し、キラキラした世界に惹かれてレコード会社に就職し、バブル期を謳歌した私に「環境問題」は他人事でした。それが変わってきたのは2000年を過ぎてから。

「いのちの海に放射能を流してはいけません!」

 雑誌「Lingkaran」で連載を担当した辰巳芳子先生の逆鱗に突き動かされ、慌てて「六ヶ所村ラプソディー」を観に行きました。クラクラするような絶望感の底から立ち上がってきたのは「このことを一人でも多くの人に伝えなければ!」という強い想い。上映会の帰りに立ち寄ったお店でも、「六ヶ所村って知ってます?」と話しかけ、これを1日30人の人にし続けよう、と決心したのでした。

 2014年6月。矢野さんに初めて会ったとき感じたのも同様の想い。その想いは「杜人」という形になり、いまひとり歩きを始めています。

 7月には、現在上映中の宮崎大分(日田)、鹿児島に加え、7/1〜東京(田端吉祥寺*アンコール)、7/2〜長野(上田)での上映が始まります。北海道(札幌)では7/8一日限りの上映。

 4年前に西日本豪雨災害が起こった広島(尾道)、山口では7/9〜上映。

 7/13〜島根、7/15〜福島山形静岡(浜松)、7/16〜岡山(*アンコール)愛知(名古屋*アンコール、7/17〜神奈川(逗子*アンコール埼玉(深谷)、7/22〜佐賀、7/24 大分(ゆふいん文化・記録映画際)、7/29〜福岡と全国の映画館で公開が相次ぎます。

 さらに、自主上映会が7/2愛媛(松山)、7/3、7/7奈良(宇陀市)、7/8徳島、7/10屋久島、7/10神奈川(湯河原)、7/16愛媛(宇和島)、7/18滋賀、7/23山梨(北杜)、7/23釧路で開催! 各映画館や会場には、大地の再生メンバーや映画監督はじめスペシャルなゲストとのトークもあります。

ゆふいんには矢野さんも!

「六ヶ所村ラプソディー」のチラシを配りながら伝えたのは「是非観にきて」という言葉。面白いとか面白くないとか、良いとか悪いとかじゃなく、理性や感情を超えた大切な、知らなければならないことが世の中にはある。その時と同じ強い想いで、「よかったら」ではなく「是非」と言いたいです。

 もう、後ろに引いている場合じゃない。作品自体のクオリティだとか完成度だとか、そういう定規で測って出していくものじゃない。自分がお勧めできないものを、いったい誰が観にきてくれるのか。

 

 これは自分にハッパをかけて、この夏をクールに駆け抜けていくための意思表明。舞台挨拶はやるたびに娘のダメ出し(多くは「喋り過ぎ」と怒られる)が飛んでくるけれど、あんこ詰め詰め「破れ饅頭」でいきたいと思いますのでヨロシク!

「チーム青梅」のおかげで開館以来初の満席を2回も記録したシネマネコ。やっぱり、いちばん大切なのは地元の仲間がつながること! 

2022.6.29 前田せつ子

九州、北海道の映画館に加え、各地で自主上映会スタート! ゆいシネマ上映会ではG.Yokoさんのミニ・ライヴも!!

 今日は夏至。残念ながら東京では太陽が見えませんが、キャンドルナイトを過ごされる方も多いでしょう。

 さて、行ってきました、宮崎へ。

 空港に降り立った瞬間に感じる南国の空気、溢れる生命力、ブーゲンビリアをはじめ花々の鮮やかさ、果物の匂い。九州初上陸となる宮崎キネマ館は、6/17、6/18いずれも満席でスタートすることができました。

宮崎キネマ館の若き支配人、喜田さんはじめスタッフの皆さんと!

 学生時代の友人をはじめ所縁のある方々との再会も嬉しく、とても元気をいただきました。中心地から20分ちょっとで「鬼の洗濯板」の異名をとる風景が大自然の神秘を感じさせる青島へ。「2400万年〜200万年前に海床に規則的に堆積した砂岩と泥岩の互層が傾き、海上に露出したものが波の浸食を受け、堅さの違いにより凹凸を生じたもの」だそうです。

E.T.が出てきそう…??

 何万年もの歳月をかけて自然が彫刻した風景に、神々の存在を感じずにはいられません。聞けば、宮崎はコンビニよりも神社のほうが多いくらいなのだそうです。

青島神社の奥にはこんな投甍所が。投げてみました。開運厄除!

 中心地で印象的だったのは青空市場。戦後に出来て、一時は歳末のアメ横くらいの人出で賑わった市場は、建て替えのタイミングを外し(そこに残った乾物屋さんのお話)、今は5〜6軒が営業するのみ。

「明日にでも店たたみたいくらいなんだけど、ボケ防止でやってる」と仰る80歳を超えた店主は、ご自身で漬けられた梅干しやラッキョウを店先に並べていらっしゃいました。

街中に突然現れる一角
ラッキョウ、ひと瓶買って帰りたかった。できれば大きいのを
店先にはエサが置かれ、ネコがのんびり食事中

 

こういうノボリ、どの街にもあるべき!

 さて、6/17、青梅に昨年出来た木造の映画館、シネマネコでの上映も始まりました。6/25の山口洋さんとのトークは早々と満席になってしまいましたが、6/30まで上映は続くので、青梅散歩と併設のお洒落なカフェでのアフタヌーンティーを兼ねて、どうぞ足を運んでみてください。青梅の魅力を伝えるwebサイト、oumegocotiではこんなに素敵な紹介が載りました

 6/18からは北海道・苫小牧にあるミニシアター、シネマ・トーラスでの上映がスタート! まだまだお客様は少ないようですが、道内の映画館での上映は貴重です。自粛生活後、集客がなかなか元に戻らない地元の映画館を応援する意味でも、是非劇場で観てくださいね。7/1まで。

 全国に先駆けて始まった道内連続自主上映会も、弟子屈町でも好評のうちに修了し、7月には釧路での上映会が決まっています。

 大地の再生奈良支部主催の上映会も6/18に無事終了しました。すぐに満席になってしまい、上映回数をなんと5回に増やしての開催。奈良では7月に宇陀市の「Hi Studioもとたねしゃ」で「大地の再生」写真展&「杜人」上映会が決まっています。

 また、6/18に開催されると決まるや満席となった千葉県長南町たまる食堂での上映会は大盛況、素敵なショートムービーまで作成してくださいました! 

集まってくださったお一人おひとりの言葉に、地域の環境再生の一歩がここから踏み出される予感がビシビシと。10月には規模を拡大した上映会も予定されていますので、チェックしてくださいね。

 6/25には、神奈川県二宮町で大規模な「大地の再生の詩〜杜人オリジナル・エディション〜」上映会が企画されています。こちらも、町が一体となった取り組みで、すでに200名以上のお申し込みが来ているとか!

 そして南にまた目を転じれば、石垣島! 閉館中の「ゆいロードシアター」の復活を望む声が高い中、月に一度、ゆいシネマ上映会が開かれており、6月(第6回)は「杜人」をかけていただけることに!

 6/24〜6/26、すでに予約もスタートしています。なんと最終日には、エンディングテーマ「わたしをつつむもの」を提供してくださって、現在全国ツアー中のG.Yokoさんのミニ・ライヴも開催されるとか。「JAZZ BAR すけあくろ」、是非お集まりください(個人的には「石の声」がとても観たいです!)。

 7/10にはいよいよ屋久島で初の上映会も!

「杜人」冒頭を飾る屋久島のガジュマル。2018年5月末、直前にヤフオクで購入したプロ仕様のカメラを持って初めて訪れた現場でもあります

 まだまだお知らせしたいことがありますが、ひとまずはこの辺で! 良き夏至の夕をお過ごしくださいね。

2022.6.21 前田せつ子

空港までの道の途中、宮崎の天空カフェ「ジール」にもよることができました!
緑の斜面にメガソーラーが……
夏の風物詩「しろくま」もしっかりいただきました!

 

堀信行先生との白熱トーク@シネマスコーレ!「杜人」は宮崎、青梅、苫小牧へ

 封切りからちょうど2ヶ月。線状降水帯と豪雨が心配される季節に入りましたが、皆さん、いかがおすごしでしょうか。

 吉祥寺に始まった「杜人」の旅は、この間、大阪、京都、横浜、岡山(総社)、川崎、逗子、仙台、兵庫(豊岡)、名古屋、千葉(柏)、厚木を廻ってきました。封切館のアップリンク吉祥寺では6/10〜アンコール上映がスタート。初日を除いて連日満席が続いています。岡山シネまるむすびでも7/16〜、現在ロングラン中のシネマアミーゴでも7/17〜、さらに、6/17で上映が終わるシネマスコーレでも7/22〜アンコール上映が決定しました。千葉県柏市のキネマ旬報シアターでは延長上映中。大阪十三にある老舗ミニシアター、シアターセブンでは第七藝術劇場から引き継いで、なんと2ヶ月を超えるロングラン上映をしていただいています。

 ひとえに口コミで広めてくださった皆様と、志と情熱あふれる劇場スタッフの皆様のおかげです。本当にありがとうございます!!

シネマスコーレ✖️堀先生、忘れられない一日になりました!
6月5日、環境の日にあつぎのえいがかんkikiで山口洋さんと。青梅シネマネコではどんなお話を聴けるか楽しみです

 さて、今週末から新たなシーズンに入る「杜人」の旅。6/17〜宮崎キネマ館での公開に合わせて、17日、18日と監督トークに伺います。宮崎には特別に思い入れがあります。というのも、海、山の豊かさに加え、大学時代の4年間を共に過ごした友をはじめ大切な友が多く暮らす土地でもあるからです。

 同じ6/17〜青梅に昨年できた日本で唯一の木造映画館「シネマネコ」での上映もスタート。25日にはHEATWAVE山口洋さんとアフタートークに伺いますが、この日のチケットは(劇場窓口のみの販売だったにもかかわらず)早くもSOLD OUTになっています。「チーム青梅」という名の熱血自主プロモーターガールズに、心から感謝です!他の日は大丈夫ですので、カフェ併設の素敵な映画館で是非ご鑑賞いただけたら嬉しいです。

 6/18〜北海道は苫小牧にあるシネマ・トーラスで上映がスタート。北海道では現在大地の再生講座が連続開催されていますが、自主上映会も連携した形で行われています。道内の方、是非、劇場と自主上映会の情報をチェックしてお近くの会場に足をお運びくださいね。7/8には札幌シアターキノでフライデーシネマも決定しています。

 また、6/18には千葉県長生郡のたまる食堂、奈良市高畑町のホテル尾花、長崎県西海市で「杜人」上映会が開催されます。満席の会場もありますが、どうぞチェックしてみてください。

 さて、この間に伺った舞台挨拶の中でも、どうしても文字に残しておきたくて娘にテープ起こしを頼んだのが地理学者の堀信行先生とのアフタートーク@シネマスコーレ(2022.5.28)

 根っからの研究者気質の堀先生は、慣れない舞台挨拶という場でも、やっぱり好奇心全開、愛すべき研究者スピリットで「杜人」を熱く研究・分析してくださいました。

 短い時間にもかかわらず濃厚なトークは文字にして8000字! 是非お読みいただきたい保存版です。

 下記に掲載します!

「ひと言」がなんと1000字に及んだ堀先生の熱いトーク!

 まだまだお知らせしたいことがてんこ盛りですが、それはまた後日。どうか、お元気でお過ごしください。

2022年6月15日 前田せつ子

 

「環境の日」に矢野さんがJ-WAVE生出演! 「杜人」は明日からアップリンク吉祥寺でアンコール上映!

photo by 田中トシノリ

 6月5日(日)は「環境の日」。1972年6月5日、ストックホルムで初の「国連人間環境会議」が開かれたのがきっかけで制定された「世界環境デー」なのだそうです。が、私は今年初めて知りました(不勉強ですみません!)。

 なんと半世紀も前にこんな会議が開かれたのに、その後、人間は何をやってきたのだろう……と思わずにはいられませんが、この日、矢野智徳さんが初めてラジオ番組に出演しました。しかも、生出演!

 朝9時20分にラジオの前にスタンバイ。なぜか緊張しながら、矢野さんの声が流れてくるのを待ちました。パーソナリティは玄理さん。そして20分間、質問に答える形で「大地の呼吸不全」と「環境再生」、「結」について、矢野さんが語りました。文字起こしして、整えたものを掲載しますね。

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玄理がお送りしています、J-WAVE ACROSS THE SKY。ここからはさまざまな国の最新カルチャーのいまをお届けするmeeth WORLD CONNECTION。

今日6月5日は「世界環境デー」です。

この番組でもさまざまなゲストをお迎えして、みなさんと一緒に考えてきましたが、今日は「大地」という観点から環境問題を考えていきたいと思います。

実はいま日本全国の大地が呼吸不全を起こしているそうです。一体どういうことなんでしょうか。そしてその解決方法はあるんでしょうか。

この時間は「大地の再生 結の杜づくり」を通して傷んだ自然環境を本来の姿に戻す活動を行っている、造園技師で環境再生医の矢野智徳さんにお話をうかがいます。

○矢野さん、はじめまして。

矢野)はじめまして。

○よろしくお願いします。

矢野)はい、よろしくお願いします。

○矢野さんは「環境再生医」ということなんですけれど、まず矢野さんが環境を再生する必要があると考えるようになったきっかけは何なのでしょうか。

矢野)造園の現場で、雨が降っているときに作業していて、大地に水がどんどん浸透していっている様子を見ていたんですけど、その場所の土の中から空気がプクプク出てきていたんですね。それは大地の中に空気がこもっているということで、空気が大地から出てくると、水が大地に浸透するっていう現象を見て、土の中の空気が動かないと、大地の中に水が入っていかないんだっていうことがわかって。

 私は当時、大学の地理学部地理学科(夜間)に通っていて、恩師の先生にこのことを話したら、そういうことは聞いたことないよって言われて。それで、これは大変なことだから研究していこうっていうことを言ってくれたんですね。それから大地のメカニズムを見ていく取り組みを始めました。もう40年近く前になります。それがきっかけと言っていいと思います。

○日本全国の大地が呼吸不全を起こしている、と矢野さんはおっしゃっていますね。

矢野)そうですね。自然界はミクロもマクロも相似形なので、大きな自然も小さな自然もシステムは一緒なんですね。ですから盆栽でも大自然を表現できる。ミクロな世界を通してマクロな世界を学ぶ、見ていく。そういう視点で、大地の中の空気が循環することを通して、水が循環することが見えてきて。それに伴って生き物が呼吸をし、大地が呼吸しているんだということが見えてきました。

 その視点で見ると、現代社会はこの半世紀近くの国土開発で、重たいコンクリートや鉄骨を大地の上に載せてきてしまった。自然状態の大地を「からだ」と見ると、重たいものが載っけられて、大地の血管が循環不良を起こしている。呼吸も血液循環も含めて、循環が普通でない状態になっている。それがもう全国で無数に起こっている。

 大地の上に重いコンクリートが載せられて、重機で締めつけられて、からだの血行が悪くなるという現象が、この半世紀近く全国で起きているわけです。その現場を見て、環境を変えていかないといけない、そういうことを取り組むようになったんですね。

○でも、だからといって、日本全国のコンクリートを取り除くというのも難しそうなんですけども。どうやったら、この水と空気の循環、元に戻るんでしょうか。

矢野)コンクリートが全部悪いわけではなくて、形や置かれている状態が問題なんです。締めつける状態でなく、循環する状態をつくってやればいい。だから、血行不良を起こしていたり、詰められて呼吸がしづらくなっているようなところを、ちゃんと循環するように部分的な改善をしていく。全部を改善する必要はないわけです。

○どういうポイントを見たら、ここのコンクリートの状態はよくない、ここのコンクリートの状態は悪くないっていうのがわかるんですか。

矢野)自然の地形が本来の「からだ」の姿ですから、そういう大地、自然の地形を基本に、本来通っていたはずの循環がどういう形で閉ざされているかを確認していく。「点と線」で大地の中に脈は広がっているので、いわゆる「脈絡」のポイントを見て、特にひどく滞っているところを通していく。そういう治療、改善施工を通してやると、大地の中の空気と水は循環し始めるんですよ。

○そうなってくると、昔の日本地図とかが必要になってくるんでしょうか。

矢野)いえ、現在の地形図を中心に、敷地図とか、平面と立体で、その大地の状態を確認していってやれば、大体当たらずとも遠からずで、「脈」、空気や水が通っている「水脈」の状態を読んでやることは十分可能になると思うんですね。

○ということは、本来川があった場所が埋め立てられているとか、そういうのがやっぱり一番よくないってことなんでしょうか。

矢野)川がコンクリートで三面張りになっているとか、山の裾野に擁壁がつくられたり、砂防ダムで全部止められたり、「抜き」の機能がなくなっていることがすごく問題になります。

○その補修工事というのか、よくないコンクリートの改善の工事は、結構大がかりなものなんですか。それとも意外と簡単なものなんでしょうか。

矢野)ケース・バイ・ケースです。私も最初の頃は、コンクリートをみんな壊さないといけないと思っていたんですよ。でも、途方もない量なので、ある意味途方に暮れながら作業をしてたんですけど、だんだん全部壊さなくていいんだっていうのがわかってきて。特に大地の血管にあたる「水脈ライン」を最低限通していってやると、元の自然がちゃんと再生してくるということを、現場で教えてもらえて。すごい再生力があるんだっていうことをね、現場が教えてくれたんですよね。

○ここ数年、大雨による土砂災害が各地で起きていますよね。その原因もやはり先ほどおっしゃっていた大地の呼吸不全、水脈を止めてしまっているからなんでしょうか。

矢野)現代土木の基本的な問題点が、大きく一つあると思うんですね。私たち人間も含めて、生物が生活している「生物環境」にあたる部分は、地上数メートル、地下数メートルと言っていいと思います。つまり、植物が枝を広げているエリアと、根っこを広げているエリアに、生物の多くが集中している。生物が住んで暮らしている生活エリアの「大地の組成」というか、大地をつくりあげている組み合わせが、単純に言うと、土と石と木。大地は土と石と木で出来上がっているって言っていいと思うんです。そこに生き物が集中している。

 生き物はみんな呼吸をしていますから、空気と水が循環しないと生きていられないわけですね。大気空間と大地空間のちょうど接する地表面にほとんどの生き物が集中していて、空気と水の循環を保全するように自分自身も息をしながら生活している。そんな「生き物環境」は、土と石と木の三つの組み合わせ比率がうまく大地の中に組み込まれてはじめて、血管のように空気と水が循環する脈が生まれるわけです。

 その組み合わせ比率が、現代土木整備の中で変化してきている。有機物である木が大地の中からどんどん排除されて、コンクリートや鉄骨で、重たいもので締めつけられて、安定させられている。安定と言っても、見かけの安定です。そこに「抜き」や「循環」の機能がないために、たまりかねて崩壊していくっていうことが起きてるんです。

photo by iDaps石田伸二

 要はバランスなんですね。そのバランスを、大地をもっと有機的に「からだ」として見るような、そういう生態的視点を通して、土木がもう一度見直されていかないと、この現代の災害は、生物災害も気象災害も、そして大地の災害も、収まらない。異常といわれている生態系の問題が根本的に解決されていかないと。この視点が土砂災害の現場で必要とされていると思うんです。

photo by iDaps石田伸二

○その一方で、コンクリートがなかった時代でも、川の氾濫とか土砂災害ってあったんじゃないかなと思うんですけど、そんなことはないんですか。

矢野)もちろんあったんですけども、現代の災害が大きく拡大していっているのは、人の開発が影響していると思っています。大きく大地を動かして、その分、相対的にエネルギーが拡大するようなことが起きて、災害そのものも拡大することに繋がっている。だから「抜き」の機能、いわゆる柔軟性ですね、それが現代土木の中に必要だと思っています。昔の土木のような「抜き」の機能を備えた柔軟性のある土木、土と木を中心とした有機的な土木、それがどうしても視点として必要になってくると思いますね。

○矢野さんは土砂災害の復旧作業でも流れてきた土砂や瓦礫をなるべく利用するようにしてるということなんですけど、それはどうしてなんでしょうか。どんなふうに利用するんでしょうか。

矢野)阪神・淡路大震災の後、倒壊した樹木を荷台に積んで、大量の瓦礫の埋め立て処理の現場に行ったことがあるんです。長蛇の列で、大量の災害残土が捨てられているのを見て、自然はこんなことしないなって思った。それが大きなヒントだったんですね。

 災害で出たものを全部捨ててしまうのではなく、自然の中に組み込んでいく雨風の機能にも似た「技」を、昔の人たちは確かにやっていたなと思い返されて。現代的にそれをやっていく必要がきっとある。自然界にはごみはない。これが基本だなっていう。戦乱の中で街が崩壊したときも、瓦礫を都市空間の中にちゃんと再利用してきた経緯があったはずなんですね。雨風がどうやって大地にその瓦礫を組み込んでいくのか。土砂災害の現場を通して、その組み合わせ比率や組み方、構造を大事に見ていく中で、施工を進めて「脈」をちゃんと通していく。それをやるとちゃんと安定した、再生した環境が戻ってくる。それが現場で私たちが教えられたことです。

2018年西日本豪雨の被災地で。流木を移動し、天穴をあけると「脈」が通り、水が澄んでいった

○矢野さんの活動を追ったドキュメンタリー映画「杜人 環境再生医 矢野智徳の挑戦」という映画があるんですけど、そこでキーワードになってる言葉「結(ゆい)」についても教えていただけますか。

矢野)お祭りもみんな「結」で、かつては、いろんな農作業も含めて生活そのものが各地域で「結」が基本にあった。生態系で見れば、各動物たちが群れをなして、おそらく生き抜くために「結」という形をとっていたと思うんです。人が群れとして生き抜いていく、ひとつの知恵が「結」という形。それは歴史を経て培われてきたもの。

 それは生態系の生き物たちがみんなスクラムを組んで生態系循環を支えている、いのちを支えている、息づけるようにみんながスクラムを組む、その生態系のシステムから学んだ機能が「結」なんだということを、現場の結作業を通して、あらためて思い返されたというか、教えてもらった気がするんですね。

○矢野さんが今日のお話の中で何度もおっしゃってた「循環」という言葉とも関係があるんでしょうか、この「結」という言葉は。

矢野)もう、まさに。循環機能をそのまま人のシステムや機能の中に応用していった、それが「結」という世界だと思います。

それぞれが分かれて作業しない。帯のように連なってやることが基本
「じゅんこの庭」の作業はまさに「結」だった

○今日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。今日矢野さんの活動に興味を持たれた方はぜひ、現在公開中のドキュメンタリー映画「杜人 環境再生医 矢野智徳の挑戦」をご覧ください。他にも矢野さんのインタビューなど、私も読ませてもらったんですけど、とてもおもしろかったです。番組のSNSにも上映情報、リンクしておきます。矢野さん、今日はありがとうございました。

矢野)はい、どうもありがとうございました。

○以上、meeth WORLD CONNECTIONでした。

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 初めて聴かれる方には理解が追いつかない部分もあったかと思いますが、よくここまで短時間で「大地の呼吸不全」とそれが引き起こすこと、それをどうしたら解決できるかを凝縮して話されたと私は瞠目(瞠耳?)しました。

 矢野さんの言葉はメモを取ることができない。考え抜かれ、削ぎ落とされ、本質を示した言葉だからです。それが「杜人」を撮った理由でもあるのですが、物事を深く追求し続けてきた人の言葉は凄いと、痛感しています。

 この日は、あつぎのえいがかんkikiで13:50上映回の後、HEATWAVEの山口洋さん(音楽)とのアフタートーク、そして、20:00〜bay fm「THE FLINTSTONE」という番組で「杜人」について語らせていただきましたが(収録)、自分の言葉の精度を上げていかなくては、と反省することしきりでした。ただ、あつぎのえいがかんkikiにいらしてくださった方々のお声かけ、bay fmの番組担当の方の熱意には胸打たれ、とても励まされました。

 明日6月10日から、アップリンク吉祥寺で「杜人」アンコール上映がスタートします。時間もスクリーンもバラバラなので、サイトでチェックしてくださいね。

 10日(金)13:45回、11日(土)9:35回、12日(日)11:25回にはアフタートークで伺います。予約はもう始まっています。

 千葉県柏のキネマ旬報シアターでは明日6月10日(金)まで、あつぎのえいがかんkiki、名古屋シネマスコーレ、大阪・シアターセブンでは6月17日(金)まで、逗子のシネマアミーゴでは6月18日(土)までの上映です。

 是非、お観逃しありませんように!

 2022年6月9日(ロックの日) 前田せつ子

仙台、京都、豊岡、名古屋、柏、大阪、逗子で上映中!(5/30現在)

 5月27日(金)から兵庫・豊岡劇場、28日(土)から名古屋・シネマスコーレ、千葉・柏キネマ旬報シアターで上映が始まりました。

コウノトリで有名な豊岡市にある豊岡劇場。凄い歴史を誇る建物
豊岡劇場では「杜ノ匠ノ」「大地の再生 関西支部」の増茂匠さん、友美さんとアフタートークを
1983年、若松孝二監督が立ち上げたミニシアター、名古屋のシネマスコーレ(映画の学校!)
トークショーの後、堀先生のお話をもっと聞きたい!という方が続出!
シネマスコーレの名物支配人、木全さん、一緒にアフタートークをお願いした堀信行先生と

柏駅、高島屋の隣のビルにあるキネマ旬報シアター。「勝手にしやがれ」と並んでポスターを貼ってもらえるなんて!
映画の歴史が詰まった図書館も劇場内に!

キネマ旬報シアター支配人、江崎さんと。江崎さんは長く映画雑誌の編集者だったそうです

 ほか、現在上映中の劇場はフォーラム仙台(6月2日まで)アップリンク京都(6月2日まで)大阪・シアターセブン(6月10日まで逗子・シネマアミーゴ(6月18日まで)

フォーラム仙台。初日に「あぶくまの里山を守る会」の大槻さん、照井さん、中畑さんとアフタートークを

 

 6月4日(土)からは、神奈川・あつぎのえいがかんkiki(17日まで)、17日(金)からは青梅・シネマネコ(30日まで)、宮崎キネマ館(30日まで)、18日からは北海道・苫小牧シネマ・トーラス(7月1日まで)で上映が始まります。

 映画館の上映期間は基本2週間(か1週間)なので、どうぞ、お観逃しなきように。

 あつぎのえいがかんkikiでは、6月5日(日)13:50〜上映回終了後、青梅・シネマネコでは、6月25日(土)15:30〜上映回終了後、いずれもHEATWAVEの山口洋さんと前田せつ子(監督)が30分のアフタートークを行います。シネマネコでは6月1日から劇場窓口で先行予約も受付。

 撮影開始から間もなく、まだ映画になるかどうかわからない頃から、音楽の提供を約束し、音源を惜しみなく提供してくださった山口洋さん。冒頭から何度も繰り返し流れる曲は「Old English Rose」。亡きお母さまに捧げられた曲。30分のお時間をいただいたので、音楽、映画、自然とのつきあい方、人生の歩き方に至るお話が聴けるはず。どうぞ、スケジュールに入れてください。

 もちろん、『moribito』サウンドトラックCDへのサイン会もあります。

 さらに! 封切り館で、ひと月以上のロングラン上映をしていただいたアップリンク吉祥寺で、6月10日(金)からアンコール上映が決まりました!

 さらにさらに!! 石垣島で6月24日(金)〜26日(日)上映が決定。最終日には、エンディングテーマを提供してくださったG.Yokoさんのミニライヴも!

G.Yokoさんの「わたしをつつむもの」をライヴで聴けるかも!

 どうぞ、お近くの劇場に足をお運びください!