封切りまであと15日! お知らせ、いくつか。

 ソメイヨシノは満開を過ぎ、ちらほら舞う花びらがまた美しい季節になりました。さて、「杜人」も残すところ15日で封切りです。長きにわたって応援し続けてくださった皆さま、本当にお待たせしました。ありがとうございます。

 これから4月15日までは毎日情報を更新していきたいと思います。どうぞ、日々のチェック、よろしくお願いいたします。

今年の国立の桜は、いつもより肩寄せ合って咲いているように見えた。いつか青森で見た桜みたいに

 さて、お知らせがいくつかあります。

 まず、上映館が増えました!

 苫小牧 シネマ・トーラス 6月予定

 

 シネマ尾道 6月予定

 

 宇都宮ヒカリ座 8月19日(金)〜9月1日(木)

 

 加えて、下記の劇場の上映日程が決まりました!

 逗子 CINEMA AMIGO シネマアミーゴ 5月15日(日)〜6月4日(土)

 フォーラム仙台 5月20日(金)〜6月2日(木)

 東京での公開を待たずに上映を決めてくださった映画館の皆さまに、心より感謝申し上げます。映画とともに、地域に愛される映画館を訪れられる日が、とても楽しみです。
 

ハナニラ。なんて愛らしい形だろう

 2つ目です。

 クラウドファンディングのリターン特典として、すでに100名以上の方にお持ちいただいている自主上映権ですが、他の方々からも、自主上映についてたくさんのお問い合わせ、お申し込みをいただいています。順次、対応させていただいていましたが、明日4月1日より、正式に申し込みの受付を開始いたします。

 お申し込みは、Contact欄から、件名に「自主上映について」とご記入のうえ、お願いできたらと思います。順次、対応させていただきます。なお、すでにお問い合わせをいただいている方には、こちらからご連絡する予定ですが、もしも対応が遅いようでしたら、改めてご連絡をいただければ幸いです。

 自主上映について、いくつか、これまでにいただいた質問にお答えしますね。

Q.いつから上映できますか?

A.近隣に上映館がある地域では、映画館での公開を優先します。館によっては公開が夏〜秋になるところもありますが、終映してからの告知で間に合う日程をご検討ください。一般的には告知から開催まで2カ月、急ぐ場合でも1カ月は余裕を持っていただければと思います。また、近隣で自主上映会が予定されている場合は、重ならないように、ご相談しながらこちらで調整させていただきます。どうぞ、ご了承ください。

Q.上映料はいくらですか?

A.一日(何回上映でも)3万円を考えています。ただし、入場料の合計が6万円を超えた場合は、その半分を上映料として申し受ける予定です(*すでに自主上映権をお持ちの方は、この限りではありません)。

Q.上映素材は何ですか?

A.Blu-rayかDVDになります。会場、機材に応じてお選びいただけます。

Q.上映機材の貸し出しはありますか?

A.現在のところ用意しておりません。プロジェクター、スクリーン、Blu-rayディスクプレーヤーまたはDVDプレーヤー、外部スピーカー(*重要!)を主催者側でご用意ください。

 他は4月1日より設定する「Independent Screening」欄をご参照ください。

 3つ目です。

 ドキュメンタリー作品でサウンドトラックをつくるなんて、あまりないことだと思いますが、今回、想いを込めてつくりました。その名も『MORIBITO-A Doctor of the Earth- ORIGINAL SOUNDTRACK』

マスタリングは山口洋さん。ジャケット・デザインは渡辺太朗(77GRAPHICS)さん。プロフェッショナルな仕上がりです

 本編を彩る12曲すべてを収録。9曲を山口洋さん、2曲を水城ゆうさん、エンディング・テーマをG.Yokoさんにご提供いただきました。私は編集しながら、何十回もこれらの音楽を聴いてきました。でも、飽きることがありません。むしろ、聴くたびに泣きそうになったりしています。

 どの曲も作為や自己主張がなく、自然に溶けてしまいそうな音色、佇まいをしているからなのだと思います。是非、お手元に置いて、日々のサウンドトラックにしていただけますように。

 4月15日アップリンク吉祥寺を皮切りに各上映会場で販売します。どうぞ、お楽しみに!

こんなに瀕死の状態なのに美しい花を咲かせて
子どもたちが植えた桜もすくすく育って

上映館が14館に増えました!

 ものすごいスピードで季節は巡り、からだも公開準備も追いついていくのに必死ですが、皆様はお元気でお過ごしでしょうか。
 さて、浜松シネマイーラに続いて、新たに3館での公開が決定しました!

・東京 アップリンク吉祥寺 2022年4月15日(金)〜

・大阪 第七藝術劇場 4月16日(土)〜

・京都 アップリンク京都 4月22日(金)〜28日(木)

・横浜 シネマ・ジャック&ベティ 4月23日(土)〜

・川崎 川崎市アートセンター 5月14日(土)〜27日(金)←new!

このほか、5月下旬〜7月にかけて(予定)以下の劇場で公開が決定しています。

・名古屋 シネマスコーレ 

・仙台 フォーラム仙台 

・山形 フォーラム山形 

・福島 フォーラム福島

・岡山 シネまるむすび

・逗子 シネマアミーゴ

浜松 シネマイーラ  

・山口 山口情報芸術センター[YCAM] ←new!

・長野 上田映劇 ←new!

 上記の映画館のサイトをぜひ一つ一つご覧になってください。一館一館、それぞれとても個性的で魅力的。営利企業とは一線を画す「志」と映画への「想い」がなければ、いまの時代に映画館の経営などとてもやっていけないと思います。その想いに触れるたび、胸の奥が熱くなります。ぜひ、足をお運びいただけると嬉しいです。

 春は別れの季節でもあります。哀しみや不安の渦中にいらっしゃる方にもあたたかな光がどうか届きますように。

梅の花って少しずつ色が違い、枝ぶりも自由。いや、梅だけじゃなく、どんな植物も全部違って全部いい

「杜を破壊するのは人、杜を再生できるのも人、貴方の選択は?」

 さて、ここで問題です。これは、ある人の「杜人」への推薦コメントなのですが、ある人とは一体誰でしょうか?

 ヒント:昨年「○○○再生」という本を上梓した人。ちなみに「大地の再生」ではありません。

 答えは「ソニー再生〜変革を成し遂げた異端のリーダーシップ」を書いたソニー前社長・平井一夫さん。現在はソニーグループ シニアアドバイザーであり、一般社団法人プロジェクト希望の代表理事です。

 2012年、業績が下がる一方だったソニーの社長に大抜擢。いわゆる「生え抜き」ではなくソニー・コンピュータエンタテインメントの社長がソニーを背負うなんて、かなり大胆な人事、と注目を集めたのを覚えていらっしゃる方も多いはず。私もびっくりでした。というのも、平井さんはかつてCBS・ソニーグループの新人研修をともにした同期だったからです。

 研修後、私はCBS・ソニーファミリークラブという通販会社に配属され、彼はCBS・ソニー(現在のソニー・ミュージック)の外国部に。そして、同じ大学出身の同期と結婚、プレイステーションの開発とともに西海岸へと旅立っていきました。その彼が、ソニーの社長に?

 正直、ソニーは賭けに出たのだろう、と思いました。「外様」だからこそ、利害を伴う人間関係に縛られることもなく、これまでとは全く違う経営ができるだろうと考えたのかな、と。そして彼は、まさに「異端」のリーダーシップを発揮、わずか6年で見事にソニーを赤字から黒字へと「再生」させ、あっさりとバトンを次のリーダーに渡したのでした。

 昨年、国立の書店でたまたまこの本を見つけ、読み始めたら、ソニー・ピクチャーズで映画化してほしいくらいスリリングな展開で、胸が熱くなる瞬間に溢れていました。子どもの頃からマイノリティ。日本とアメリカを行き来する子ども時代は、世に言う「帰国子女って、いいよね」なんてものではなく、疎外感に溢れ、アイデンティティを模索する「異邦人」の日々。企業という組織に縛られず、個の意見、やり方、多様性を尊重していく姿勢はその頃から培われたようでした。

 座右の銘は「Where there is will, there is a way(意志あるところに、道が開ける)」。

 かつての同期は巨大なビジネスの世界に身を投じたわけではなく、自分の意志を貫き、人に寄り添い、異なる意見を大切にした結果として新たな道を切り拓いたのでした。

 彼の新たなプロジェクトの名は「希望」。貧困によって教育の機会のみならず子ども時代の貴重な経験の積み重ねを阻害され、彼らが多様な未来を思い描く想像力と人生の選択肢を奪われることのないように。これからの人生、彼はその希望を掲げて、活動していくそうです(この本の印税も子どもの貧困と教育格差の解消に全額寄付されるとか)。

 人生の十字路で出会えたことに感謝しつつ、新たなチャレンジに心からエールを送ります。

 

あとがきの最後の言葉に、またジーン……

                  2022年3月4日 前田せつ子