冬本番を前に、足元から希望の灯を!

本格的な冬がやって来ました。

迎撃ミサイルを含む国防費の増大が閣議決定され、2011年の事故以降、極力削減と位置付けられていた原発を「最大限活用していく」ことが表明される一方で、地球規模の気候変動に対しては机上の「脱炭素シフト」が叫ばれるだけ。

国産のアサリを店でほとんど見なくなったように、海の生きものも、山の生きものも減っているのに、人間目線、経済優先で突き進む現状に、寒さ以上に心が凍りそうになります。

いや、こんなときこそ、足元を見つめて、地を這うように進み続けなければ。

封切りからこれまで、一日も途切れることなく全国で劇場上映が続いてきましたが、12月1日だけ空白を挟んで、2日からはMorc阿佐ヶ谷で4週間のアンコール上映中です。

こんなに長く上映が続いているのは、足を運んでくださった方が口コミで広めてくださったおかげです。
改めて厚く御礼申し上げます。

Morc阿佐ヶ谷では12月のイチオシ作品としてリーフレットの表紙に載せてくださいました。29日までですが、都内はそれがほんとうに劇場最後。27日12:50~上映回後には、最後のアフタートークに伺います。
この日は劇場からのオファーで、『地球交響曲』プロデューサー、龍村ゆかりさんと一緒にお話しさせていただくことになりました。
封切り前に推薦コメントをお願いしたものの、実際にお会いするのは今回が初めて。
龍村さんは、美しいピアノ曲を提供してくださった水城ゆうさんとも長く親交がおありだったので、そのお話も伺いたいと思っています。
Morc阿佐ヶ谷は『荒野に希望の灯をともす』をはじめ他の映画のラインナップも素晴らしいので、是非チェックしてみてください。

https://www.morc-asagaya.com/2022/12/15/moribito-g…

年が明けて神奈川では、CINEMA AMIGOで1月8日から再々再上映していただくことになりました。2022年を代表する作品として、だそうです。自主上映会が増えている中で、年を越して映画館で上映していただけるのはほんとうに珍しく、嬉しいことです。福岡の東田シネマさん、岡山のシネまるむすびさんでも、新春上映が決まっています。詳細は改めてお知らせしますね。

12月8日には福聚寺のある三春町で上映会が開かれました。全3回上映で、1回目、2回目は、なんと町内にある田村高校の1年生、2年生が授業の一環で鑑賞!

「行きつけの杜」プロジェクトで植林活動に取り組む三春VIVOの渡部友紀さんと登壇しました

「ずっと観ていたい映像でした」
「土の中の環境にそんなに興味はなかったけれど、水溜りが土砂崩れの原因になるとわかって、できることをやっていきたいと思いました」
など、嬉しい感想をいただきました。

一般向けの夜の回には、三春町の教育長も。
「子どもの頃を思い出しました 」
「コンクリートは全部外さなくてもいいんですね」
「人間は自然と共にしか生きられない。子どもたちに伝えていきたいと思います」と感想を寄せてくださいました。

上映の間に福聚寺を訪れて驚いたのは、ヤマゴケが増えていたこと。以前伺ったとき、「苔むした寺にしたいんです」と仰っていたご住職の玄侑宗久さん。やっと念願の苔が増えてきたことはもちろん、植生の変化、風の通りを日々感じていらっしゃることでしょう。

境内はやわらかい草地となり、苔むしてきていました
来春も見事な花を咲かせてほしい愛姫の桜

さて、10月24日日比谷図書文化館で行われた中村桂子さん(生命誌研究者)と矢野智徳さんのトーク、改めて紹介しておきます。短い時間ながら「生きものとしての人間」に迫る対談です。生きもの研究の最前線を走り続ける科学者と、自然と対峙して現場を科学し、真理を追求してきた造園家の言葉に込められた深い意図を、祈りを、感じてください。

25分のダイジェスト版はこちらです。

さあ、ここからは、この間のご報告を一気に。

別府ブルーバード劇場で92歳の館長・岡村照さんを囲んで

岡山県の西粟倉村にあるあわくら図書館にも呼んでいただきました。ここは合併を拒否し、林業でやっていくことを宣言した人口1500人の村。間伐材で作られた美しい図書館には村役場が併設、子どもの図書館と遊び場も!

下のフロアは子どもの居場所。滑り台で。ここは風力発電もメガソーラーも誘致しないと決めているとか

藤野藝術の家での上映会は、地域で活動している方々のパネル・トークが素晴らしかった!

地域の結が形になった上映イベントでした。アンケートの回収率も、書き込みも凄まじかったです

東慶寺の大地の再生スタディツアーにも伺いました。息を取り戻した境内は紅葉も鮮やかに、リスの鳴き声が響いていました

倒れたナラをそのまま生かして周囲を息づかせる

エンディングシーンに登場する日野おちかわの里で開かれた4回目の大地の再生講座では、水溜りを矢野さんが検知棒で突くと、一気に小川に! 

おとなも子どもも結作業

講座が終わって、焚き火を囲んでシェアタイム。子どもの遊び場をみんなで再生したこの場所は、落ち葉がまんべんなく大地を包んで、足底にあたる地面も柔らかく。来年1月14日には七生公会堂で上映会を主催されます(予約不要だそうです)。

2022年もいよいよあと2週間。
あたたかい希望の灯をともして、良い年をお迎えください。

 2022.12.18  前田せつ子

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