『杜人』の旅は始まったばかり
もうすぐ封切りから5カ月が経ちます。全国の映画館や自主上映会場を訪れながら、人生でもなかなかないくらいの濃厚な時間を味わわせていただきました。
昨日、こんなメールを富山の「ほとり座」という映画館からいただきました。
『杜人』上映では、鑑賞後にお客さまが声をかけてくださることが多く、作品に励まされてとてもうれしそうに、驚いたことやさまざまな気づきをいっしょうけんめいに話してくださいました。「いまとても晴れやかな気持ち」とおっしゃってくださったお客さまもいらっしゃいました。そうやってお客さまと交流していると、いつの間にか劇場ロビーの『杜人』掲示コーナー前は観賞後のお客さまが何人か集まって共鳴しあっている、作品はそんな時間ももたらしてくださいました。
即決して4/16から上映してくださった大阪・第七藝術劇場さんからは、こんなお言葉を。
『杜人』の上映、改めましてありがとうございました。当初の想定以上のロングランとなり、作品の持つ力と観られた方々の口コミの力を見ることができました。
9/12からアンコール上映が始まっている鹿児島・ガーデンズシネマさんからも、こんなコメントをいただきました。
大地の呼吸を取り戻す。すごい方がいらっしゃるなと思いました。映画を知ることで大地も人の世も風通しがよくなり、生きやすい世の中になってくれればと願うばかりです。
映画館の方がこんなふうに捉えてくださったこと、心からありがたい気持ちでいっぱいです。何より、映画が人と人、人と地域をつなぐ役割を果たしてくれていることが嬉しいです。
自主上映会を開催してくださった方からは、こんな感想がシェアされていました。
「矢野さんは、すべてが渦として見えて、感じている方なのだと思うけど、この映画も大きな渦を作ってるなと思ったのでした。それにチョイ関われて、ホントによかったですよ。みなさんも主催者になれますので!」
「『杜人』によって伝えられたもの、私たちも身の回りから小さな変革を。種子はあちこちに蒔かれた。私たちもそれぞれの歩みを見つけよう、つづけよう」
「大きくてたくさんの人を対象にしたイベントではなく、小さく、より深く学び会えるイベントにしたい、と実行委員で何度も話し合って創りあげてきた。今、私たちに出来ることを、掴んだ瞬間」
客観から主観に。客体から主体に。他人事から自分事に。人を繋ぎ、地域に根差してはじめて『杜人』は息をしていく。そのことを、しみじみ実感しています。
主催者になることは、そこに自ら種を播くこと。実行委同士が繋がり、集まってくださった方々と話し、地域のことを考えることは、その種に水をやり、育てていくことです。ちょっと勇気を出して、小さな上映会を地元で開いてください。きっと、見えてくる風景が変わっていくと思います。
「杜人」の旅は、その名の通り、草の根の運動。是非、一緒に育てていただけると嬉しいです。
2022.9.13 前田せつ子