「よかったら」と「是非」〜ギア・チェンジの夏に向けて!

「六ヶ所村ラプソディー」をくにたちの女たち(10名くらい)の実行委で上映したのは2007年10月。私にとっては初めて住んでいる街で行なったイベント、というより市民運動でした。

 鎌仲ひとみ監督のトークにリクル・マイさんのミニ・ライヴも挟んで、「ヒバクシャ—世界の終わりに」との2本立て。チケットの売り上げは400枚を超え、実際には350名くらいの方が観にきてくださって、地域で仲間とつながる切実さと楽しさを実感したのでした。

思えば、これが第一歩! この時に体感した女たちの連帯を忘れない

 もともと自然はあって当たり前の環境で育ち、「街」に憧れて上京し、キラキラした世界に惹かれてレコード会社に就職し、バブル期を謳歌した私に「環境問題」は他人事でした。それが変わってきたのは2000年を過ぎてから。

「いのちの海に放射能を流してはいけません!」

 雑誌「Lingkaran」で連載を担当した辰巳芳子先生の逆鱗に突き動かされ、慌てて「六ヶ所村ラプソディー」を観に行きました。クラクラするような絶望感の底から立ち上がってきたのは「このことを一人でも多くの人に伝えなければ!」という強い想い。上映会の帰りに立ち寄ったお店でも、「六ヶ所村って知ってます?」と話しかけ、これを1日30人の人にし続けよう、と決心したのでした。

 2014年6月。矢野さんに初めて会ったとき感じたのも同様の想い。その想いは「杜人」という形になり、いまひとり歩きを始めています。

 7月には、現在上映中の宮崎大分(日田)、鹿児島に加え、7/1〜東京(田端吉祥寺*アンコール)、7/2〜長野(上田)での上映が始まります。北海道(札幌)では7/8一日限りの上映。

 4年前に西日本豪雨災害が起こった広島(尾道)、山口では7/9〜上映。

 7/13〜島根、7/15〜福島山形静岡(浜松)、7/16〜岡山(*アンコール)愛知(名古屋*アンコール、7/17〜神奈川(逗子*アンコール埼玉(深谷)、7/22〜佐賀、7/24 大分(ゆふいん文化・記録映画際)、7/29〜福岡と全国の映画館で公開が相次ぎます。

 さらに、自主上映会が7/2愛媛(松山)、7/3、7/7奈良(宇陀市)、7/8徳島、7/10屋久島、7/10神奈川(湯河原)、7/16愛媛(宇和島)、7/18滋賀、7/23山梨(北杜)、7/23釧路で開催! 各映画館や会場には、大地の再生メンバーや映画監督はじめスペシャルなゲストとのトークもあります。

ゆふいんには矢野さんも!

「六ヶ所村ラプソディー」のチラシを配りながら伝えたのは「是非観にきて」という言葉。面白いとか面白くないとか、良いとか悪いとかじゃなく、理性や感情を超えた大切な、知らなければならないことが世の中にはある。その時と同じ強い想いで、「よかったら」ではなく「是非」と言いたいです。

 もう、後ろに引いている場合じゃない。作品自体のクオリティだとか完成度だとか、そういう定規で測って出していくものじゃない。自分がお勧めできないものを、いったい誰が観にきてくれるのか。

 

 これは自分にハッパをかけて、この夏をクールに駆け抜けていくための意思表明。舞台挨拶はやるたびに娘のダメ出し(多くは「喋り過ぎ」と怒られる)が飛んでくるけれど、あんこ詰め詰め「破れ饅頭」でいきたいと思いますのでヨロシク!

「チーム青梅」のおかげで開館以来初の満席を2回も記録したシネマネコ。やっぱり、いちばん大切なのは地元の仲間がつながること! 

2022.6.29 前田せつ子

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