メディアでの告知が続きます!

 青楓の季節になりました。まだ4月も半ばだというのに真夏日だなんて、あの爽やかな季節はどこへ行くのでしょう。

 さて、いよいよ封切りまであと4日。雑誌、新聞、WEBメディアでの告知が続いています。4月11日付でアップされたのがアップリンクの新配信プラットフォーム、DICE+オンライン

「DICE+」創刊スペシャル+新作映画紹介として、あの話題作『TITANE/チタン』と並んでの紹介です。これまでにYouTubeにアップしている「風の草刈り」「表層の水切り」などの動画とともに映像たっぷりで紹介されています。是非、チェックしてみてください。

 また、WEBマガジン、シネマカルチャーのTOPICS欄でもご紹介いただきました。

 そうそう、映画.comでご紹介いただいているのをご存知でしょうか? いち早くレビューを書いてくださったのは、編集長の駒井尚文さん。評価は3.5。さあ、これからどうなるかは、みなさまにかかっています。

 そして、現在発売中の雑誌、新聞はこんな感じ。

 上の写真には入っていませんが、4月9日発売のアウトドア情報誌「BE-PAL ビーパル」5月号映画紹介欄にも! また、4月20日発売のタワーレコード フリーマガジン「intoxicate」にも記事が掲載されるので、見つけてくださいね。

 

「野菜だより」は温野まきさんの執筆で全6ページ、矢野さんが語る自然栽培が紹介されています
「I 女のしんぶん」は「i女性会議」が月2回発行する機関紙。畏れ多いです

 とはいえ、伝わる強さ、という意味では、口コミ、チラシにかなうものはありません。どうか、みなさま、「杜人」って知ってる? と広めていただければ、ありがたいです!

 

 

大阪、京都、横浜の舞台挨拶・トークショー情報です!

さて、アップリンク吉祥寺に続いて、大阪・第七藝術劇場、アップリンク京都、横浜シネマ・ジャック&ベティでの舞台挨拶&トークショーが決まりました。

第七藝術劇場

4/22(金) 12:25回上映後 前田せつ子(監督)、出演者(関西で活動中の大地の再生メンバー!)

4/23(土) 10:00回上映後 前田せつ子(監督)

アップリンク京都

4/22(金) 9時台回上映後 前田せつ子(監督)、出演者(関西で活動中の大地の再生メンバー!)

横浜シネマ・ジャック&ベティ

4/23(土)11:05回上映後 矢野智徳(出演者)


4/24(日)11:05回上映後 前田せつ子(監督)


5/3(火祝)時間未定 山口洋(音楽)、前田せつ子(監督)
 *上映時間は決まり次第、お知らせいたします。

チケットの発売については、各劇場のサイト、または窓口へお問い合わせください。

京都、大阪、横浜でお会いできるのを、楽しみにしています!

山口洋さん、GW真っ只中での登壇!「杜人」オリジナルサウンドトラックCDも各劇場で販売します!
矢野さんはひとりで登壇! 
全国津々浦々行きたいです!

舞台挨拶・トークショーのお知らせ

いよいよ1週間後、4月15日(金)にアップリンク吉祥寺で公開初日を迎えます。

初日から1週間、下記の日程で舞台挨拶・トークショーを行います。

是非、生の声を聞きにいらしてくださいね。

初日には矢野さんが登場です!

4/15(金)9:35回上映後 矢野智徳(出演者)、前田せつ子(監督)

 

4/15(金) 17:25回上映後 矢野智徳(出演者)、前田せつ子(監督)

山口洋さんにもソロ・ツアーの合間を縫って駆けつけていただきます

4/16(土)9:35回上映後 山口洋(音楽)、前田せつ子(監督)

 

   

纐纈あやさんも登場!

4/16(土) 17:25回上映後 纐纈あや(制作スーパーバイザー)、前田せつ子(監督)

「くにたちお話の会」の光野トミさんもいらしてくださいます!

4/17(日)9:35回上映後 光野トミ(ナレーション)、林揚羽(ナレーション)、前田せつ子(監督)

女優の林揚羽さんも!

     

4/17(日) 17:25回上映後 前田せつ子(監督)

このあたりから前田せつ子ひとりになります

4/18(月)9:35回上映後 前田せつ子(監督)

4/19(火)夕方の回上映後 前田せつ子(監督)

4/20(水)9:35回上映後 前田せつ子(監督)

4/21(木)夕方の回上映後 前田せつ子(監督)


いずれもチケットの販売についてはアップリンク吉祥寺のサイトをご覧ください。

劇場でお会いできるのを、出演者&スタッフ一同、楽しみにしています!!

封切りまであと8日! 本編冒頭映像、限定公開しました!

 さあ、封切りまで、あと8日。予告編(1分50秒)を見飽きた方へ。本編冒頭映像(4分)を期間限定公開しました。

 屋久島、平野の荒磯からエコヴィレッジ”aperuy”へ、そして北九州の井手浦へ。ある意味、映画のすべてが凝縮されているとも言えるタイトルまでの4分。
 ナレーションは光野トミさん。半世紀を超える歴史を持つ「くにたちお話の会」の立ち上げ時からのメンバーで、つい先日90歳のお誕生日を迎えられました。

 マスメディアでの告知はまだまだ追いついていませんが、草の根の宣伝告知が静かに広がっているのを感じます。どうぞ、これからのカウントダウン、一緒に、よろしくお願いします!

葉桜の季節もまた美しい
目を惹きつける黄色はきっといのちの発現

雨の日曜日、少し元気になる

 一昨日、これからは毎日更新します!と意気込んだばかりなのに、昨日は怠ってしまいました。

 ここにきて、若干凹んでいます。というのも、オンライン試写のリンクを送ったり、サンプルDVDを送ったりしても、何のリアクションもないことが続いているからです。

「映画の宣伝は選挙と同じだから。公開日は投票日。それまでにどれだけ支持者を増やせるかが勝負なんだよ」

 封切りの映画館の社長に言われたのが昨年7月。「上映してもいい」という返事をもらって天にも昇る気分だった私が「で、いつ上映してもらえるんですか?」と聞いたところ、帰ってきた返事がそれでした。

「せ、選挙……?」

 

 私は選挙に出たことが2回あります。1度目は2011年4月。2度目は2015年4月。つまり、1度目は勝ち、2度目は負けたということです(ちなみに国立市議です)。

 もともと政治には疎く、国立に引っ越してくるまでは投票にも行かなかったほど(お恥ずかしい)。でも、2006年秋、リンカランという雑誌で辰巳芳子さんの連載をやっていたとき、「原発1基1年分の放射能を1日で海に流すような工場を稼働させてはなりません!」という辰巳さんの怒りの声を聞きました。

 その日から私はそのことを猛烈に調べ始め、「六ヶ所村ラプソディー」を観に行き、リンカランで六ヶ所の記事を提案して取材に行き、国立で同志と呼べる女たちと実行委員会を立ち上げて上映会をし、鎌仲監督にも来てもらい……。

 

 そんな流れの中で選挙に出ることを決断したのでした。路上で、六ヶ所村の再処理工場のことを訴えることができる、という一心で。そして翌月に投票日が迫った3月11日、東日本大震災が起こりました。

 そんなことが起きないように、と門外漢だった政治の世界にチャレンジすることを決めたのに、一番起きてほしくないことが起きてしまった。当時の動揺、逡巡はとても言葉にできません。

 正直、選挙なんて放り出して娘を連れて実家に帰りたいくらいでしたが、逡巡の末に出ることを決め、ギリギリで当選し、4年間務めました。その間に取り組んだ主なことといえば、子どもたちを被曝から守ること、子宮頸がんワクチン被害から守ること、いじめ、DVから守ること、そして……桜を守ること。

 4年後、ギリギリで落選。もちろん落ち込みましたが、24時間後には急浮上、応援、支援してくださった方には申し訳ないけれど、風向きが変わったと受け止めて、これからは好きなことをしようと思いました。

 というわけで、私にとっては3回目の投票日となる4月15日。映画に勝ち負けはないけれど、慣れない宣伝活動に取り組んできました。昨秋のクラウドファンディングで思いもしなかったほどたくさんの応援をいただいたので、少し楽観的になっていたのが悪かった。現実は厳しく、オンライン試写状を送ってもお返事があったのは3%。共感してくださる方や、心あるメディアで取り上げてもらっても、一般メディアはほとんどスルー。Twitterのフォロワーはちっとも増えないし……。ある意味、書類審査で落とされ続けているような、弱音を吐きたい気分になってきていました。

 でも、映画館にそんなことは口が裂けても言えません。たくさんの集客が見込める作品とは思えないのに、「いま、この時代に伝えるべき圧倒的なメッセージがある」と上映を決断してくださった映画館の方をガッカリさせるわけにはいけません。

 今日はそんな気分を払拭したい気持ちもあって、冷たい雨が降る中、2つのグループ展へ行き、国分寺の2つのお店(アースジュースとカフェスロー)にチラシの補充に行きました。

大塩英生先生の作品。寄り添っているのは、大学通りの朽ちた桜。「ほとんど僕は何もしていない」と。「日本画、彫刻、版画3人展」@ギャラリー街角

 グループ展はどちらも、とても元気をもらいました。アートって人間が誇れる数少ない美質の一つだと、としみじみ思います。おまけに出展者の方が、訪れたお客様に自ら映画のことを宣伝してくださったことにもジーン。

ギャラリー銀座で開催中の「藍型染着物、ガラス、版画〜風と光〜展」

 

 

 とどめは、閉店間際のカフェスローで、ご近所の友人に出逢えたこと! 私が愚痴をこぼすと、「営業だからね……。渾身の企画書を書いて、熱いメッセージを添えて送っても、その熱さゆえにスルーされること、あるよね……」と。

 確かに、送られた相手にとっては、そんなメッセージが日に何通も届くわけで。熱いほど面倒臭い、と棚に上げる気持ちもわかります。おまけに映画を観るのは時間がかかるし。

 そして最後に友人が言ってくれたこと。

「○○と○○には、僕からお願いしてみます」

 なんと……!

 おまけに近所のよしみで家まで送ってもらい、とても満たされて帰ってきました。

 そして、今日最後のサプライズ。女優の駒井蓮さんが杜人のTweetをコメント付きでRetweetしてくださっていたのです!

 

 落ち込んでいるヒマはない! 雨が降っても、風が吹いても、地を這うように進んでいかなくちゃ!

「大地の再生の詩〜杜人オリジナル・エディション」上映会のお知らせ

「杜人」劇場公開に先立って、Motion Galleryクラウドファンディングでお世話になったtamaki niimeさんで「大地の再生の詩〜杜人 オリジナル・エディション」の上映会が開かれます。

「大地の再生の詩」は、クラファンで応援いただいた皆様には既にオンラインでご視聴いただいていますが、劇場版の「杜人」より9分長い110分の作品。

 劇場版が初めて矢野さんや「大地の再生」をご覧になる方向けのつくりになっているのに比べて、「大地の再生の詩」はある程度ご存知の方に向けたもの。メンバーやスタッフのコメントも多く、エンディングも違います。

 お近くの皆さま、どうぞ、この機会にご覧いただき、応援していただければ幸いです。

いどばたまきvol.12
「 大地の再生の詩 〜杜人オリジナル・エディション〜」上映会


日時:4月9日(土) 18:30受付 上映: 19時〜21時
会場:tamaki niime Shop&Lab 裏庭

 *野外ですので、アウトドアチェアや虫除けスプレーなどお持ちの方はご持参下さい。
 *雨天の場合はtabe roomにて行います。
 〒677-0043 兵庫県比延町550-1
 https://www.niime.jp/
参加費 : 無料
 *参加される方は申し込みお願いいたします。 申し込み方法:「 いどばたまき」で検索 

* * * * *

 また、3月26日「あぶくまの里山を守る会」主催で開催された上映会のアンケートが寄せられています。一部を紹介します。

●「大地の再生の詩〜杜人 オリジナル・エディション〜」鑑賞会 @丸森町 
    2022.3.26開催 主催:あぶくまの里山を守る会 

*参加者アンケートより抜粋

・ 何度でも観たい&観せたい映画ですね。

・「大地も人間と同じように呼吸をしている」という言葉に共感しました。 

・土砂崩れがなぜ起きるのか納得しました。 

・ いま、台風19号の後に山腹につくられている巨大な人工物に、いつも心がざわついています。”ハチドリのひとしずく”でもいい。大地の再生をつづけていきたいと思っています。 

・「環境問題がきれいごとになっている」というのは、ひしひしと感じていました。「概念」で命や生死を語るのではなく、現場で土と生き物と死と隣合わせで活動することの「汚さ」と大変さから学ぶことは多いと感じています。

・ 「ヒト」の営みが自然そのものの在り方を変えてしまっていることにハッとした。自然に寄り添い共生していく生き方が広がってほしい。 

・「雑草はそこに必要だから生えている」「空気と水の通り道、ひと息つける空間」「大地の呼吸をさまたげない」という言葉が印象に残った。 

・ 大地の再生について学ぶチャンスがありましたらお誘いいただきたい。自宅庭の再生、住宅地(狭い土地の)庭の再生方法を知りたいと思います。

(あぶくまの里山を守る会は、年に一度の活動報告会の開催に合わせて、クラファン・リターンの自主上映権を使って上映会を開催していただきました) 

封切りまであと15日! お知らせ、いくつか。

 ソメイヨシノは満開を過ぎ、ちらほら舞う花びらがまた美しい季節になりました。さて、「杜人」も残すところ15日で封切りです。長きにわたって応援し続けてくださった皆さま、本当にお待たせしました。ありがとうございます。

 これから4月15日までは毎日情報を更新していきたいと思います。どうぞ、日々のチェック、よろしくお願いいたします。

今年の国立の桜は、いつもより肩寄せ合って咲いているように見えた。いつか青森で見た桜みたいに

 さて、お知らせがいくつかあります。

 まず、上映館が増えました!

 苫小牧 シネマ・トーラス 6月予定

 

 シネマ尾道 6月予定

 

 宇都宮ヒカリ座 8月19日(金)〜9月1日(木)

 

 加えて、下記の劇場の上映日程が決まりました!

 逗子 CINEMA AMIGO シネマアミーゴ 5月15日(日)〜6月4日(土)

 フォーラム仙台 5月20日(金)〜6月2日(木)

 東京での公開を待たずに上映を決めてくださった映画館の皆さまに、心より感謝申し上げます。映画とともに、地域に愛される映画館を訪れられる日が、とても楽しみです。
 

ハナニラ。なんて愛らしい形だろう

 2つ目です。

 クラウドファンディングのリターン特典として、すでに100名以上の方にお持ちいただいている自主上映権ですが、他の方々からも、自主上映についてたくさんのお問い合わせ、お申し込みをいただいています。順次、対応させていただいていましたが、明日4月1日より、正式に申し込みの受付を開始いたします。

 お申し込みは、Contact欄から、件名に「自主上映について」とご記入のうえ、お願いできたらと思います。順次、対応させていただきます。なお、すでにお問い合わせをいただいている方には、こちらからご連絡する予定ですが、もしも対応が遅いようでしたら、改めてご連絡をいただければ幸いです。

 自主上映について、いくつか、これまでにいただいた質問にお答えしますね。

Q.いつから上映できますか?

A.近隣に上映館がある地域では、映画館での公開を優先します。館によっては公開が夏〜秋になるところもありますが、終映してからの告知で間に合う日程をご検討ください。一般的には告知から開催まで2カ月、急ぐ場合でも1カ月は余裕を持っていただければと思います。また、近隣で自主上映会が予定されている場合は、重ならないように、ご相談しながらこちらで調整させていただきます。どうぞ、ご了承ください。

Q.上映料はいくらですか?

A.一日(何回上映でも)3万円を考えています。ただし、入場料の合計が6万円を超えた場合は、その半分を上映料として申し受ける予定です(*すでに自主上映権をお持ちの方は、この限りではありません)。

Q.上映素材は何ですか?

A.Blu-rayかDVDになります。会場、機材に応じてお選びいただけます。

Q.上映機材の貸し出しはありますか?

A.現在のところ用意しておりません。プロジェクター、スクリーン、Blu-rayディスクプレーヤーまたはDVDプレーヤー、外部スピーカー(*重要!)を主催者側でご用意ください。

 他は4月1日より設定する「Independent Screening」欄をご参照ください。

 3つ目です。

 ドキュメンタリー作品でサウンドトラックをつくるなんて、あまりないことだと思いますが、今回、想いを込めてつくりました。その名も『MORIBITO-A Doctor of the Earth- ORIGINAL SOUNDTRACK』

マスタリングは山口洋さん。ジャケット・デザインは渡辺太朗(77GRAPHICS)さん。プロフェッショナルな仕上がりです

 本編を彩る12曲すべてを収録。9曲を山口洋さん、2曲を水城ゆうさん、エンディング・テーマをG.Yokoさんにご提供いただきました。私は編集しながら、何十回もこれらの音楽を聴いてきました。でも、飽きることがありません。むしろ、聴くたびに泣きそうになったりしています。

 どの曲も作為や自己主張がなく、自然に溶けてしまいそうな音色、佇まいをしているからなのだと思います。是非、お手元に置いて、日々のサウンドトラックにしていただけますように。

 4月15日アップリンク吉祥寺を皮切りに各上映会場で販売します。どうぞ、お楽しみに!

こんなに瀕死の状態なのに美しい花を咲かせて
子どもたちが植えた桜もすくすく育って

上映館が14館に増えました!

 ものすごいスピードで季節は巡り、からだも公開準備も追いついていくのに必死ですが、皆様はお元気でお過ごしでしょうか。
 さて、浜松シネマイーラに続いて、新たに3館での公開が決定しました!

・東京 アップリンク吉祥寺 2022年4月15日(金)〜

・大阪 第七藝術劇場 4月16日(土)〜

・京都 アップリンク京都 4月22日(金)〜28日(木)

・横浜 シネマ・ジャック&ベティ 4月23日(土)〜

・川崎 川崎市アートセンター 5月14日(土)〜27日(金)←new!

このほか、5月下旬〜7月にかけて(予定)以下の劇場で公開が決定しています。

・名古屋 シネマスコーレ 

・仙台 フォーラム仙台 

・山形 フォーラム山形 

・福島 フォーラム福島

・岡山 シネまるむすび

・逗子 シネマアミーゴ

浜松 シネマイーラ  

・山口 山口情報芸術センター[YCAM] ←new!

・長野 上田映劇 ←new!

 上記の映画館のサイトをぜひ一つ一つご覧になってください。一館一館、それぞれとても個性的で魅力的。営利企業とは一線を画す「志」と映画への「想い」がなければ、いまの時代に映画館の経営などとてもやっていけないと思います。その想いに触れるたび、胸の奥が熱くなります。ぜひ、足をお運びいただけると嬉しいです。

 春は別れの季節でもあります。哀しみや不安の渦中にいらっしゃる方にもあたたかな光がどうか届きますように。

梅の花って少しずつ色が違い、枝ぶりも自由。いや、梅だけじゃなく、どんな植物も全部違って全部いい

「杜を破壊するのは人、杜を再生できるのも人、貴方の選択は?」

 さて、ここで問題です。これは、ある人の「杜人」への推薦コメントなのですが、ある人とは一体誰でしょうか?

 ヒント:昨年「○○○再生」という本を上梓した人。ちなみに「大地の再生」ではありません。

 答えは「ソニー再生〜変革を成し遂げた異端のリーダーシップ」を書いたソニー前社長・平井一夫さん。現在はソニーグループ シニアアドバイザーであり、一般社団法人プロジェクト希望の代表理事です。

 2012年、業績が下がる一方だったソニーの社長に大抜擢。いわゆる「生え抜き」ではなくソニー・コンピュータエンタテインメントの社長がソニーを背負うなんて、かなり大胆な人事、と注目を集めたのを覚えていらっしゃる方も多いはず。私もびっくりでした。というのも、平井さんはかつてCBS・ソニーグループの新人研修をともにした同期だったからです。

 研修後、私はCBS・ソニーファミリークラブという通販会社に配属され、彼はCBS・ソニー(現在のソニー・ミュージック)の外国部に。そして、同じ大学出身の同期と結婚、プレイステーションの開発とともに西海岸へと旅立っていきました。その彼が、ソニーの社長に?

 正直、ソニーは賭けに出たのだろう、と思いました。「外様」だからこそ、利害を伴う人間関係に縛られることもなく、これまでとは全く違う経営ができるだろうと考えたのかな、と。そして彼は、まさに「異端」のリーダーシップを発揮、わずか6年で見事にソニーを赤字から黒字へと「再生」させ、あっさりとバトンを次のリーダーに渡したのでした。

 昨年、国立の書店でたまたまこの本を見つけ、読み始めたら、ソニー・ピクチャーズで映画化してほしいくらいスリリングな展開で、胸が熱くなる瞬間に溢れていました。子どもの頃からマイノリティ。日本とアメリカを行き来する子ども時代は、世に言う「帰国子女って、いいよね」なんてものではなく、疎外感に溢れ、アイデンティティを模索する「異邦人」の日々。企業という組織に縛られず、個の意見、やり方、多様性を尊重していく姿勢はその頃から培われたようでした。

 座右の銘は「Where there is will, there is a way(意志あるところに、道が開ける)」。

 かつての同期は巨大なビジネスの世界に身を投じたわけではなく、自分の意志を貫き、人に寄り添い、異なる意見を大切にした結果として新たな道を切り拓いたのでした。

 彼の新たなプロジェクトの名は「希望」。貧困によって教育の機会のみならず子ども時代の貴重な経験の積み重ねを阻害され、彼らが多様な未来を思い描く想像力と人生の選択肢を奪われることのないように。これからの人生、彼はその希望を掲げて、活動していくそうです(この本の印税も子どもの貧困と教育格差の解消に全額寄付されるとか)。

 人生の十字路で出会えたことに感謝しつつ、新たなチャレンジに心からエールを送ります。

 

あとがきの最後の言葉に、またジーン……

                  2022年3月4日 前田せつ子

浜松シネマイーラでの公開が決まりました!

 映画の制作も(監督も、撮影も、編集も)初めてですが、配給・宣伝にも初挑戦しています。やしほ映画社さんやきろくびとさん、そしてアップリンク主催ムービー制作ワークショップ16期でご一緒し、いまロングライドに勤める友人に、わからないことをいろいろ教わりながら、ここは!と思う映画館に一軒一軒電話をかけ、支配人や編成担当の方とお話しし、メールで資料や映像リンクを送り、できる限り全国で上映してもらえるようにとお願いしています。

 いいなと思うのは、この業界には「生の声」が生きていること。いきなりの電話にもかかわらず、電話の向こうで「杜人」を検索し、「面白そうな映画ですね」と仰ってくださる方もあれば、「いきなり電話であれこれ話されてもね……。いま映画業界がどんなに大変か知ってる? あなたの映画はうちでは上映できないと思うよ」と諭されることも。それでも、電話を切った後にメールで資料をお送りすると「さっきは言い過ぎて悪かったね。環境への意識の高い人はどの街にもいます。そういう人たちと連携できれば……」と丁寧な返信が届いたり。

 大作は一気にいくつもの映画館で上映が決まりますが、そういうブルドーザーのような力は「杜人」にはなく、人の手で地を這いながらお一人お一人に生の声で伝えていくしかないのだろうと思います。そして、そうやって伝えることで、毛細血管のような毛根が地下に張り巡らされていくのだと信じています。

 ということで、11館目、浜松シネマイーラさんでの公開が決まりました!
 なんと、ここはこれまで決まった劇場の中で一番席数が多いところ。1スクリーンで152席! そんなにたくさんのお客様に入っていただけるのだろうか? 

 実は昨夜、その作戦会議を密かに開いたのでした。浜松市、菊川市在住の、めちゃくちゃ熱い志と軽やかなフットワーク、草の根の人脈を併せ持つ4人の方々と、Zoomで1時間45分。それは、一人の想いと一人の想いが繋がり、連なった時だけがもつ、スリリングな瞬間の連続でした。2007年、国立市で初めて「六ヶ所村ラプソディー」の自主上映会を開催するときに集まった女7人でのキックオフ・ミーティングを思い出し、私は胸がいっぱいに……。

 もし、シネマイーラさんでやってもらえるとしたら? ひとりのアイデアが蹴鞠のように別のひとりに受け止められて、どんどん弾んで、そして今日、「やりましょう!」という館長の決断につながりました。

 毎日が貴重な体験の連続。かけがえのない出逢いをもたらしてくれる「杜人」の根が、これからもすくすく伸びていきますように!

B2ポスター、出来ました!